富山県公立高校入試問題・中1理科の問題集
植物の蒸散のしくみを調べるため,次のような実験を行った。あとの問いに答えなさい。
実験の手順
@ 葉の数や大きさなどの条件をそろえた4本のホウセンカと,ホウセンカの茎と同じ太さのガラス棒を用意した。
A 4本のホウセンカを図の説明のようにした。なお,ワセリンは油の一種であり,水を通さないので,ワセリンをぬった部分からは蒸散できない。
B 食紅で着色した水が入っているメスシリンダーに,ホウセンカとガラス棒を入れた。
C 一定時間後の水の減少量を調べた。表はその結果である。
D Aのホウセンカを用いて,葉と茎の横断面のプレパラートを作り,顕微鏡で観察した。
表
A |
B |
C |
D |
E |
|
水の減少量〔cm3〕 |
(a) |
5.0 |
13.0 |
1.0 |
0.2 |
(1) 表のBとDの数値の差は何を表すか,次のア〜エの中から1つ選び,記号で答えなさい。
ア 葉の表からの蒸散量 イ 葉の裏からの蒸散量
ウ 葉の表と裏からの蒸散量 エ 茎からの蒸散量
(2) 表のEの水の減少量は何によるものか,書きなさい。
(3) 表の(a)に入る最も適切な数値を,次のア〜オの中から選び,記号で答えなさい。
ア 16.8 イ 17.0 ウ 17.2 エ 18.0 オ 18.2
(4) 表のBとCの数値の違いから,葉のつくりについて考えられることを書きなさい。
(5) Dでは,葉や茎の一部が食紅で染まっていることがわかった。観察された葉の横断面の模式図として適切なものを次のア,イから,茎の横断面の模式図と して適切なものを次のウ〜カの中から,それぞれ選び,記号で答えなさい。ただし,模式図では食紅で染まった部分を黒く塗りつぶしてある。
解きましたか?それでは解答です。
(1) ア (2) 水面からの蒸発 (3) イ
(4) 葉の表より葉の裏のほうが蒸散しやすいつくりになっている。
(5) 葉:ア 茎:オ
(1) BとDの条件のちがいは裏にワセリンをぬった葉の有無であるから,その差は葉の表からの蒸散量を表す。
(2) Eではホウセンカによる蒸散が行われていないので,数値は水面からの蒸発量を表す。
(3) a=Bの減少量+Cの減少量−Dの減少量=17.0 cm3
(4) 蒸散が行われる気孔という気体の出入り口は,おもに葉の裏側に多くある。
(5) 吸い上げられた水は道管を通る。道管は葉では表側,茎では中心側に集まっている。また,ホウセンカは双子葉類なので,茎の横断面では道管と師管の集まりである維管束は輪状に並んでいる。