お茶の水女子大学附属入試問題・中3数学問題集
整数a,b,p,qについて,2次式x2+ax+bを式(x+p)(x+q)に因数分解できるかどうかを調べる。例えば,2次式x2−3x+2は(x−1)( x−2)と因数分解できる。次の問いに答えなさい。
(1)a ,bが偶数または奇数の場合に因数分解できる例があるかどうか調べる。次のAからCの各場合について,因数分解できる例がある場合にはその例を1つあげ,できる例が全くない場合にはその理由を書きなさい。ただし,2の倍数である整数を偶数,そうでない整数を奇数とする。
@aは奇数、bは偶数
(例) この場合は、a=−3,b=2とするとできる。
x2−3x+2=(x−1)(x−2)
Aaは偶数,bは奇数
Ba,bはともに奇数
Ca,bはともに偶数
(2)式x2−xを因数分解し,この因数分解は上の@からCのどれにあてはまるか,理由をつけて答えなさい。
解けましたか?それでは解答です。
(1) A できる。a=6,b=5とすると x2+6x+5=(x+5)(x+1)
B できない。条件より x2+ax+b=(x+p)(x+q)と因数分解できるとき x2+ax+b=x2+(p+q)x+pq よって a=p+q,b=pq pqは奇数だからpとqは共に奇数であるが,このときp+q=aは偶数となり,a,bがともに奇数であることはない。
C できる。a=8,b=12とすると x2+8x+12=(x+2)(x+6)
(2) x2−x=x(x−1), x2−xはa=−1,b=0であってaは奇数,bは偶数と考えられるので@にあてはまる。