社会・歴史(神奈川県高校入試)
日本の歴史に関する次の図A〜Dについて,あとの(ア)〜(コ)の問いに最も適する答えをそれぞれ一つずつ選び,その番号を書きなさい。
(ア) 図Aの石器はどのような目的でつくられたか。
1.戦いで武器として用いるため。 2.ナウマン象などの狩りを行う道具として用いるため。
3.稲の穂をつみとる道具として用いるため。 4.祭りの宝物として用いるため。
(イ) 図Aの石器が日本でつくられて用いられた,紀元前4世紀から紀元3世紀ごろまでの間の世界のできごととして正しいものはどれか。
1.イエス(イエス=キリスト)が神の救いを説いた。 2.ルターが宗教改革の運動をおこした。
3.ハンムラビ(ハムラビ)王が法典をつくった。 4.チンギス=ハンがモンゴル民族を統一した。
(ウ) 図Bの工芸品がおさめられた正倉院が建てられたころの日本の社会の様子として最もふさわしいものはどれか。
1.墾田永年私財法がだされ,開墾した土地の所有が認められた。
2.冠位十二階が定められ,才能のある人を役人に取り立てようとした。
3.領地を仲立ちとした御恩と奉公による主従制度が生まれた。
4.守護大名の家臣らの中で実力のある者が守護大名にとってかわる下剋上がみられた。
(エ) 図Bの工芸品がおさめられた正倉院が建てられたころの,略地図IにXとYで示した国の組み合わせとして正しいものはどれか。
1.X−イスラム帝国 Y−宋 2.X−イスラム帝国 Y−唐
3.X−ローマ帝国 Y−宋 4.X−ローマ帝国 Y−唐
(オ) 図Cの札を使って中国との貿易が行われたことと最も関係の深いことがらはどれか。
1.地租 2.防人 3.倭寇 4.絵踏(踏絵)
(カ) 図Cの札を使った中国との貿易を始めた人物が行ったことはどれか。
1.遣唐使を廃止した。 2.刀狩実施した。 3.六波羅探題を設けた。 4.鹿苑寺金閣を建てた。
(キ) 次に示した資料は,図Bの工芸品がおさめられた正倉院が建てられてから図Cの札を使った中国との貿易が開始されるまでの間のある時期に,農民が土地の管理者を荘園領主に訴えた文書の一部である。資料中の ( )にあてはまる役職名はどれか。
領主に納める材木のことですが,( )が上京する際や近所の工事の際に,私たち農民がたびたびかりだされるため,ろくにひまもありません。わずかに残った者で山から材木を運ぼうとしたところ,逃亡した農民の耕地に麦をまけと追い返されてしまいました。そのため,材木の運び出しがますます遅くなってしまったのです。(表記は現代文にしている。) |
1.管領 2.老中 3.地頭 4.県令
(ク) 図Dの船による貿易がさかんになって,日本町がつくられた地域としてあてはまるものはどれか。
1.東南アジア 2.西アジア 3.南アメリカ 4.西ヨーロッパ
(ケ) 図Dの船による貿易が行われていた時期につくられたものはどれか。
1.公事方御定書 2.五箇条の御誓文 3.武家諸法度 4.御成敗式目
(コ) 次に示した文のできごとは,どの時期のことか。
座禅による修行や,自分でさとりを開くことを重んじる禅宗が日本に伝わった。 |
1.図Aの石器がつくられて用いられたころから図Bの工芸品がおさめられた正倉院が建てられるまでの時期。
2.図Bの工芸品がおさめられた正倉院が建てられてから図Cの札を使った中国との貿易が開始されるまでの時期。
3.図Cの札を使った中国との貿易が開始されてから図Dの船による貿易が開始されるまでの時期。
4.図Dの船による貿易が開始された以後の時期。
解けましたか?それでは解答です。
(ア) 3 (イ) 1 (ウ) 1 (エ) 2 (オ) 3 (カ) 4 (キ) 3 (ク) 1 (ケ) 3 (コ) 2
(ア) 長さ15pくらいの弥生時代の石器である。
(イ) 1は1世紀のはじめごろ,2は1517年,3は紀元前18世紀ごろ,4は1206年のできごと。
(ウ) 正倉院は奈良時代の建築物。2は飛鳥時代,3は鎌倉時代,4は室町時代のできごと。
(エ) 唐の文化は玄宗皇帝のころ最盛期を迎えた。当時バグダッドを中心に栄えていたイスラム帝国からシルクロードを通って唐に商人がやってきて,イスラム文化を伝えた。この影響や他国からの文化もはいってきたことにより,唐文化は世界性豊かな文化であった。
(オ) 図Cの札を使った貿易を勘合貿易という。勘合札は,当時中国や朝鮮沿岸を荒らし,明の貿易船もおそれた倭寇と,正式な貿易船を区別するために用いられるようになった。
(カ) この人物は,室町幕府第3代将軍足利義満。義満によって,約60年間対立していた南北朝の合一が行われた。
(キ) 資料は1275年に高野山の荘園である阿?河荘の農民が,地頭の横暴ぶりを高野山に訴えたものである。
(ク) 図Dの船による貿易は江戸時代の16世紀末〜1635年に行われていた朱印船貿易である。朱印船貿易では大名や商人が東南アジアに進出し,各地に日本町をつくった。
(ケ) 武家諸法度は江戸時代に大名のとりしまりのために制定され,将軍の代がわりごとに少しずつ修正された。1は1742年に出されたもので,同じ江戸時代ではあるが鎖国中のできごとである。2は明治維新,4は鎌倉時代に出されたもの。
(コ) 禅宗は鎌倉時代に中国(当時の宋王朝)から伝わった仏教の宗派である。日本では鎌倉時代に臨済宗・曹洞宗,江戸時代に黄檗宗の3つの禅宗の宗派が伝え広められた。