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国語・古典(埼玉県高校入試)

次は、一条天皇の中宮である彰子(上東門院)に仕えていた紫式部の話です。この文章を読んで、あとの問いに答えなさい。(     の右側は口語訳です。)

 

今は昔、紫式部、上東門院に歌読み優の者にてさぶらふに、大斎院より春つ方、@「つれづれにさぶらふにさりぬべき物語やさぶらふ。」と尋ね申させたまひければ、御草子ども取り()ださせたまひて、
いづれをかまゐらすべき。」
など、()り出ださせたまふに、紫式部、「みな目()れてさぶらふに、新しくつくりてAまゐらせさせたまへかし。」
と申しければ、「さらばつくれかし。」と仰せられければ、源氏はつくりてまゐらせたりけるとぞ

(『古本説話集』による。)

(注) ※ 紫式部 ……… 平安時代中期の代表的な女流文学者。
※ 大斎院 ……… 選子内親王。村上天皇第十皇女。

 

問1@つれづれにさぶらふに とありますが、この部分の意味として最も適当なものはどれですか。次のア〜エの中から一つ選び、その記号を書きなさい。
ア 心配しておりますが
イ 退屈しておりますが
ウ 残念に思っておりますが
エ 気の毒に思っておりますが
問2Aまゐらせさせたまへかし とありますが、この部分を「現代かなづかい」に直し、ひらがなで書きなさい。
問3 本文の内容と合うものはどれですか。次のア〜エの中から一つ選び、その記号を書きなさい。
ア 紫式部は上東門院に、新しく物語を作って大斎院にさし上げるよう申し上げた。
イ 紫式部は新しい物語について知らなかったので、大斎院と上東門院にお答えできなかった。
ウ 大斎院から依頼を受けた上東門院と紫式部は、見なれた物語を選んで推薦した。
エ 大斎院は数多くの物語の中から適当な物語を選んで、上東門院と紫式部に贈った。

 

 

 

 

 






 

 

 

解きましたか?それでは解答です。

問1 イ  問2 まいらせさせたまえかし  問3 ア

【現代語訳】
今となっては昔のことだが、紫式部が、上東門院に歌人のすぐれた者としてお仕えしていたが、大斎院より、春の頃、「退屈しておりますが、何か適当な物語がございましょうか。」とお尋ねになられたので、(上東門院は)いろいろな物語を取り出しなされて、「どれをさし上げたらよかろうか。」などと言って選び出しなさるところに、紫式部が、「みな見なれておりますので、新しく作って差し上げなさいませ。」と申しますと、(上東門院が)「それでは、そなたが作りなさい。」とおっしゃったので、源氏物語を作って差し上げたとのことだ。




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