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社会・公民

次の文章を読み,あとの各問に答えよ。
日本国憲法には,(1)「すべて国民は,勤労の権利を有し,義務を負ふ。」と示されている。人々が働くのは,収入を得るため,仕事を通して自己実現を図るため,社会に参加するためなど,多様な意義や目的がある。そのため,(2)労働条件等,勤労者の権利は,憲法によって守られ,法律によって具体化されている。 しかし,働く意欲があるにもかかわらず,雇用の場が確保されるとは限らない現実もある。(3)この背景の一つには景気の変動があげられる。景気の変動は,雇用をはじめ経済に及ぼす影響も大きいことから国はさまざまな対策を行っている。今後は人口構造の高齢化や科学技術の進歩などが一層進むことが予想され,(4)高齢者の雇用の機会の確保や,人々が働くために必要とされる能力の開発・育成などの対応が求められる。
〔問1 〕 「すべて国民は,勤労の権利を有し,義務を負ふ。」とあるが,勤労の権利は,日本国憲法で保障されている基本的人権のうち,社会権に分類される。社会権について述べているものは,次のうちではどれか。
ア 生活保護や社会保障制度などにみられるように,個人の生存や生活の維持・発展に必要な条件を保障する権利。
イ 自分自身の考えをもち,それを表現することや,自分の住む場所を選択することなど,国家権力の介入や干渉を排除して,各人の自由を保障する権利。
ウ 一人ひとりをかけがえのない個人として尊重するため,すべて国民は法の下に平等であり,人種,信条,性別,社会的身分等で政治的,経済的,社会的に差別されない権利。
エ 選挙権や被選挙権,公務員の選定や罷免,最高裁判所裁判官の国民審査など,国民が政治に参加する権利。
〔問2 〕 労働条件等,勤労者の権利は,憲法によって守られ,法律によって具体化されている。とあるが,次の内容が定められている法律名を何というか,漢字で書け。

○労働条件は,労働者と使用者が,対等の立場で決定すべきものである。○労働時間は1週間について40時間以内,1日について8時間以内である。


○満15歳に満たない児童は,労働者として使用してはならない。

 

〔問3 〕 この背景の一つには景気の変動があげられる。とあるが,景気の変動とは好況と不況を交互に繰り返すことである。次のA〜Dは,好況のときと不況のときの雇用と物価に関する一般的な説明である。不況のときの雇用と物価の説明として正しく組み合わせてあるのは,次の表のア〜エのうちではどれか。
A 企業の生産活動が拡大するため,失業者が減少し,雇用が増加する。
B 企業の生産活動が縮小するため,失業者が増加し,雇用が減少する。
C 生産者からの供給に対して消費者の需要が少ないため,物価が下落する傾向にある。
D 生産者からの供給に対して消費者の需要が多いため,物価が上昇する傾向にある。

雇 用

A

A

B

B

物 価

C

D

C

D

〔問4 〕 高齢者の雇用の機会の確保とあるが,下のIのグラフは1998年において40〜59歳の人が望ましいと考えている退職年齢を示したもの,Uのグラフは2001年において定年制を定めている企業と定めていない企業の割合を示したもの,VのグラフはUで定年制を定めている企業における定年年齢の分布を割合で示したものである。

 

社会・公民(都立高校入試)

 

高齢者の雇用の機会の確保について,IのグラフとU,Vのグラフから読み取れることを簡単に書け。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

解けましたか?それでは解答です。

 

〔問1〕 ア  〔問2〕 労働基準法  〔問3〕 ウ

 

〔問4〕 (例) 60歳をこえても働きたいと考えている人が多いにもかかわらず,多くの企業の定年は60歳になっている。

 

〔問1〕 社会権は国に対しての保障を求める権利である。イは自由権,ウは平等権,エは参政権。

 

〔問2〕 1947年に労働者の保護を目的として制定された。

 

〔問3〕 好況の時はAとDの組み合わせである。わが国の経済のように好況と不況を繰り返すことを,景気の循環(景気の変動)という。

 

〔問4〕 社会の変化や医学の進歩などにより,肉体的にも精神的にも仕事のできる状態の高齢者は多く,また,仕事を続けていきたいと考えている高齢者も多い。高齢者が働ける環境づくりも今後の課題である。

 



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