社会・公民(宮城県高校入試)
京子さんのクラスでは,社会科の授業で,4回にわたって日本の社会の現状や課題について学習しました。下の表は,それぞれの学習内容をまとめたものです。これを読んで,あとの1 〜 4の問いに答えなさい。
経済状況について考える | 1990年代前半から景気停滞が続いており,現在もきびしい経済状況にある。本格的な景気回復が望まれる。 |
環境問題について考える | 産業廃棄物の不法投棄や,排気ガスなどによる環境の悪化が深刻な問題となっている。 経済発展と調和のとれた豊かな環境が望まれる。 |
行政改革について考える | 行政の肥大化によるさまざまな問題が増えている。 「スリムな国家」にするための行政改革が望まれる。 |
(まとめ)これからの社会
について考える |
現在,日本はさまざまな課題をかかえているが,それらの解決をはかるとともに,社会的に弱い立場にある人々に配慮した社会づくりが大切である。今後は 国民のだれもが安心して豊かに暮らせる「共生社会」をつくっていくことが望まれる。 |
1 次の(1),(2)の問いに答えなさい。
(1) 右の資料は,株価と地価の変化を示したものです。資料をもとにして,1980年代の後半から90年代の初頭にかけての経済状況を何とよんでいるか,書きなさい。
(2) 1991年以降の日本経済のようすを述べた文として,適切でないものを,次のア〜エから1つ選び,記号で答えなさい。
ア 多額の不良債権をかかえ,経営破綻におちいる銀行も出てきた。
イ ハンバーガーショップなどの外食産業やカジュアル衣料の分野で,価格の低下が進んだ。
ウ 不況対策のために公共投資を増やしたので,インフレーションの傾向が強まった。
エ 1980年代に引き続き,サービスやソフトなどの産業の比重が高まった。
2 良好な環境を求める権利として環境権が提唱されていますが,開発にあたっては事前に環境への影響を調査する施策がとられています。この施策を何というか,書きなさい。
3 次の(1),(2)の問いに答えなさい。
(1) 行政改革の施策として,適切でないものを,次のア〜エから1つ選び,記号で答えなさい。
ア これまで以上に自由な経済活動を推進するため,規制緩和をはかる。
イ 行政手続きをより公正なものにして,行政の透明化をはかる。
ウ 中央集権の性格を改め,地方分権のいっそうの推進をはかる。
エ 財政を再建するため,これまでの縦割り行政の強化をはかる。
(2) 行政改革の一環として,1府22省庁から1府12省庁へと行政組織が再編統合され,2001年1月に,新しい行政組織がスタートしました。これによって,それまでの「運輸省」,「建設省」,「北海道開発庁」,「国土庁」をもとにして新設された省は何か,書きなさい。
4 下線部Cについて,このような「共生社会」をつくるために、どのようなことが必要だと考えられますか。あなたの考える身近な事例を,具体的に1つ述べなさい。
解けましたか?それでは解答です。
1 (1) バブル経済 (2) ウ 2 環境アセスメント 3 (1) エ (2) 国土交通省
4 (例1) 車いすマップをつくり,身近な地域のバリアフリー化を進める。
(例2) 高齢者の福祉施設を訪問し,ボランティア活動を積極的に行う。
1 (1) この時代は,土地や株式などが実体以上に上昇してバブル(あわ)のようにふくれあがり,資産価値があがった。資産価値があがったことで,世の中は投資や消費が増大した。
(2) バブル崩壊後平成不況の現代は,デフレ傾向が強い。
2 環境影響評価法ともいわれる。1997年6月に法案が成立し,1999年6月より施行された。この法案は過去に6回も廃案になるなど成立までには長い時間がかかった。
3 (1) エで,縦割り行政とは例えば,各省庁などでいろいろな事を決めてしまうような中央集権的な行政をいう。縦割り行政では,重複してしまう事柄も多く,財政面での無駄がでてきたりするなど問題点も多く指摘されている。
(2) 国土交通省の下には,気象庁・海難審判庁・海上保安庁・船員労働委員会が設置されている。
4 さまざまな立場の人々がお互いを尊重し,対等に社会生活を営んでいくことが望ましい。そのために私たち1人1人が何ができるのか,また,何をすればいいのか考えていかなければならない。