国語・古典(大阪府高校入試)
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
何わざも同じことなれど、筆(ア)のあとのわきてつたなきがとしごろいと恥づかしけれど、人(イ)の請へば、われを欺きて@書きても取らすものから、心には汗出づばかり苦し。今だに習はばやの心つくに、 稚きをり、たは業にのみ心入れて、親(ウ)のいさめきかざりける身(エ)の果てこそと悲しくなりて、
とる筆に 涙ぞかかる たらちねの A親のいさめを 思ひかへせば
(注)筆のあと = 筆跡。書いた文字。
たは業 = あそびごと。
1 ”思ひかへせば” を現代かなづかいになおして書きなさい。
2 本文中の (ア)の 〜(エ) の のうち、一つだけ他の三つと異なるはたらきをしているものがある。その記号を書きなさい。
3 @書きても取らす の意味として最も適しているものを次から一つ選び、記号を書きなさい。
ア 書いて与える イ 書きそこなう
ウ 書き写させる エ 書いてもらえる
4 A親のいさめ とあるが、これは具体的にはどのような「いさめ」であったと考えられるか。その内容を現代のことばを用いて書きなさい。
解けましたか?それでは解答です。
1 思いかえせば 2 イ 3 ア 4 (例)習字に熱心に励みなさい。
【現代語訳】
何事も同じであるが、筆跡が特に下手であることが長年の間たいへん恥ずかしいことであるが、人が請えば自分をあざむいて書いて与えるけれども、心では汗が出るほど苦しい。今でも(字を)習いたいという気持ちになるが、幼いころ、あそびごとばかりに夢中になり、親の忠告を聞かなかった身の果てなのだと悲しくなって、
筆をとると(その筆に)涙がこぼれる 親の忠告を思い返すと